鈴木会計事務所 |
特定の施設で提供される一定の食事については、その食事代について消費税率8%の軽減税率を適用することができます。対象となる食事代については基準額が設けられていますが、今年(2026年)6月1日から、見直されました。これは、3年連続の見直しです。
特定の施設が行う飲食料品の提供について、一定金額以下の場合、消費税率は8%の軽減税率が適用されます。
この金額の基準は、物価高騰と食材価格の上昇を受け、2024年6月1日より3年連続で引き上げられ、2026年6月1日からは、1食当たり税抜「730円以下」となりました。
これに伴い1日の累計額は、税抜「2,190円まで」引き上げられています。
なお、これまでの金額基準の推移は、下表のとおりです。
| 1食当たりの対価の額 | 1日の累計額 | |
|---|---|---|
| 2019年10月1日〜2024年5月31日 | 640円以下 | 1,920円まで |
| 2024年6月1日〜2025年3月31日 | 670円以下 | 2,010円まで |
| 2025年4月1日〜2026年5月31日 | 690円以下 | 2,070円まで |
| 2026年6月1日〜 | 730円以下 | 2,190円まで |
対象となる施設・提供者・提供する相手などは従来と変わりません。以下のとおりです。
| 施設 | 提供者 | 提供する相手等 |
|---|---|---|
| 有料老人ホーム | 左記施設の設置者又は運営者 | 左記施設の一定の入居者に対して行う食事の提供 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 左記施設の設置者又は運営者 | 左記施設の入居者に対して行う食事の提供 |
| 義務教育諸学校 | 左記施設の設置者 | 左記施設に通う児童又は生徒の全て(一定の者を除く)に対して学校給食として行う食事の提供 |
| 夜間課程を置く高等学校 | 左記施設の設置者 | 夜間課程において、左記施設に通う生徒の全て(一定の者を除く)に対して夜間学校給食として行う食事の提供 |
| 特別支援学校の幼稚部又は高等部 | 左記施設の設置者 | 左記施設に通う児童又は生徒の全て(一定の者を除く)に対して学校給食として行う食事の提供 |
| 幼稚園 | 左記施設の設置者 | 左記施設に通う幼児の全て(一定の者を除く)に対して学校給食に準じて行う食事の提供 |
| 特別支援学校に設置される寄宿舎 | 左記施設の設置者 | 左記施設に寄宿する幼児、児童又は生徒に対して行う食事の提供 |
上記施設において、それぞれの者がそれぞれの者に対して行う飲食料品の提供が対象となります。
2026年6月1日以後に行われる飲食料品の提供について、以下の具体例で消費税率8%(軽減税率)として問題ないか確認してみましょう。
まず、1食当たりの金額基準をクリアしているか確認し、その上でクリアしている食事代について、1日の累計額でもクリアしたものが消費税率8%の対象となります。
今回の具体例の場合、あらかじめ書面により累計額の計算の対象となる飲食料品は、朝食、昼食、夕食としているため、1食当たりの金額基準をクリアしている食事代について、提供される順番(朝食→昼食→夕食)で累計額を計算していきます。
以上が消費税率8%で計算することができます。
おやつは1食当たり730円以下ですが、累計額の計算の対象とはしていないため、消費税率は8%を適用できず10%となります。
なお、今回はあらかじめ書面により累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を明らかにしているケースでした。仮に、明らかにしていない場合には、累計額は提供される順番(朝食→昼食→おやつ→夕食)に計算します。
つまり、朝食(500円)→昼食(600円)→おやつ(500円)の累計で1,600円となり、これに夕食640円を足すと累計は2,240円となり、2,190円を超えます。そのため、消費税率8%が適用できるのは、朝食、昼食、おやつとなります。
引き続き物価高騰で食事代が上がっている施設も多いと思われます。6月からの分について改正後での金額基準で算定されていない場合は、改めて算定し、消費税率8%の対象となる食事代に変更はないか確認しましょう。
[参考]
国税庁HP
「令和8年6月〜消費税の軽減税率の対象となる給食の金額基準が変わります!(令和8年3月) PDF」
「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編) PDF」